ヒプノセラピー・催眠

催眠の仕組み 潜在意識とは

潜在意識とはどのようなものでしょうか

私たちの意識が日々、どのように動いているのか。そして、人格がどのように形成されていくかをご説明します。

■■ 顕在意識と潜在意識 ■■
 私たちの意識は、顕在意識と潜在意識にわかれます。顕在意識とは主に日常で私たちが使っている場所です。表層意識とも言われます。思考が生まれ、物事を分析し、判断しています。今、考えている思考そのものを指します。一方、潜在意識とは、過去の出来事の記憶が深く蓄積されていく場所です。また、ひらめきや直感、創造性は潜在意識から生まれるとも言われています。
 顕在意識は割合でいうとたった10%にすぎず、残りの90%は潜在意識が占めています。この潜在意識に深く刷り込まれた「思考・感情の癖」は、日常の私達を強力にコントロールしています。潜在意識は自律神経(呼吸・心拍等)もコントロールしているので、人前で緊張してドキドキしたり、恐怖で体が固まるといった身体症状も、潜在意識のなせる業です。
 根深い感情や固定概念(制限)、苦手意識を改善するには、顕在意識ではなく潜在意識に直接働きかけた方が効果的です。「頭(顕在意識)でわかっているのに、できない(潜在意識)」「本当は〇〇したいのに、できない」という状況はまさに、顕在意識と潜在意識が分離していて、潜在意識の方が私たちの人格を強力に支配している証拠なのです。

 顕在意識は論理的に思考し、目の前のものは危険ではないか、良いか悪いかのチェックをしています。一方、潜在意識は無批判であり、無判断な領域です。善か悪かの判断をしないので、与えられたものを素直に受け入れやすく、そして、現実と非現実を区別することもできません。
 この顕在意識と潜在意識の境にはクリティカル・ファキュリティ(検閲)と呼ばれる「判断のフィルター」があります。このフィルターが自分の信念や価値観に合わないものや危険なものをはね退け、潜在意識に受け入れない働きをしています。言うなれば、無防備な潜在意識はこのフィルターに守られているということです。

■■ 潜在意識と顕在意識の働きの違い ■■
 レモンをかじる想像したらどうなるでしょうか。唾液が出たり、酸っぱさに体が身構え(硬直)しませんか?これが潜在意識の反応です。レモンの酸っぱさを覚えていて、実際にレモンが無いのに身体の反応が出ています。でも、あなたは実際にレモンをかじったのではない、ということもちゃんとわかっていますよね。これが顕在意識の働きです。頭でわかっている、でも身体や気持ちが勝手に反応する。これが潜在意識と顕在意識が同時に働いているという状態です。
 催眠療法では、この顕在意識に少しお休みをしてもらい、「判断のフィルター」の下にある潜在意識に肯定的な働きかけをしていきます。とは言っても、顕在意識は完全に働かなくなるわけではありません。顕在意識はしっかりなりゆきを見守っているので、「これは危険だ」という状況にはすぐに戻ってきて「判断のフィルター」が自分を守ってくれます。催眠中に自分の体のコントロールを失うことは一切ありませんし、自分が望まないことを強制されることも一切ありません。

■■ 人格形成と潜在意識 ■■
 人間は、乳幼児の頃は理屈や理論で物事を考える力がありません。外から教えられたことをは何でもそのまま呑み込む、つまり良い悪いも、本当か嘘かの判断もなくそのまま受け入れ、「自分のもの」「絶対的なもの」としてしまうのです。こうして、この幼い時期の体験や記憶、情報は意識の奥深い場所(潜在意識)に刷り込まれ、強固なものとして残ります。
 しかし、子供が5才~6才になる頃には理屈をつける能力(判断力)が発達します。自分の体験や感情を基準にして、自分が何を信じるか、何を取り入れるかを選択するようになります。この頃、「判断のフィルター」が形成されるようになり、以降、このフィルターを通過しない(=自分が納得しない)情報は潜在意識まで届かなくなります。
 逆を言えば、6才頃までは潜在意識の蓋が開いていて、子供たちは無批判・無判断で周囲の言葉を受け入れます。極端な例えをするならば、親が世界は無慈悲なものだと教えたなら、子供はそれを疑いもせず、検証もせず、この世はそういうものだという絶対的な世界観の中で育っていくということです。

 自分の身に降りかかる出来事に対処ができない子供にとって、自分を守り、養育してくれる保護者は絶対的なものです。子供は親との関係を通して世界を学び、自分が生きていく為には何をしなければいけないのか、自分と他者、自分と社会との関わりを学びながら成長していきます。
 ところが、幼い子供が見聞きして学んだ内容は幼いが故の早合点や誤解から生じた偏りが多いのも事実です。大人になった自分が、幼い頃の自分が感じたこと、学んだこと、辛い思い出となった心の傷をもう一度検証しなおすことで、自分の性格の根底となった価値観を変容させていくことができます。

■■ 催眠の状態はとても自然なものです ■■
 例えば、映画館で映画を見ているとき。アクション映画でヒーローが超人的な力で高層ビルから飛び降りたり、足で走って車に追い付いたりしますね。現実的に考えればあり得ない出来事ばかりですが、私達はそれをわかっていながらちゃんとストーリーに入り込んで楽しんでいます。これが催眠の状態です。
 催眠状態は意外に私たちの日常に普通に溢れています。料理をしているとき。雑巾がけをしているとき。「集中して」「無心に」何かに没頭しているとき。これも催眠の状態です。または、車でいつも通いなれた道を運転して家に帰るとき。何を考えていたか、どの交差点で曲がったか、思い出せなかったりしませんか?これも一種の催眠状態です。何かに集中しているとき、あるいは散漫になっているとき。こんなふうに、私たちは日常生活の中で催眠の状態に自然に出たり入ったりしているのです。

 催眠にかかっている状態を摩訶不思議な非日常の状態だと誤解している方が多いのですがそうではありません。前述のように自然な状態なのです。そして、今起こっていることにとても集中して意識もはっきりしています。
 でも、催眠から抜け出たとき、私達はまさに目が覚めたように「いつもの自分に戻った」感覚になります。催眠中も「いつもの自分」で、催眠から覚めたあとも「いつもの自分」なのです。
 映画館から出てきたとき、あなたはどんな感覚になるでしょう。人によっては、なんとなく頭がぼんやりしていたり、外界がまぶしかったり、白っぽく感じるかもしれません。映画を観終わって、あなたは今見たヒーローと同じように気分が高揚しているかもしれませんが、今見た映画と同じように自分にもできると思ってビルの屋上から飛び出す人は誰もいませんね。催眠というのは、このように自然で、且つ分別もついている状態なのです。

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