子供の頃の感情を、想いを昇華していくことができたら、今度は今の大人のあなたならできるステップに続きます。
なぜ、わざわざ昔の辛かった思い出を掘り起こしたのか。これは何も「親を責める」為に掘り起こしてきたのではありません。自分の性格や考え方の「固定された癖」に気づくためなのです。気づかなければ何も始まりませんが、気づけば、それを癒し、改善していくことができるのです。
私たちの心の奥底に潜む、子供の頃の自分(インナーチャイルド)に気づいたら、もうひとつ質問をしてみてください。
「私は本当に(両親に)愛されていなかったのだろうか? 」
色々な葛藤はあるでしょう。が、大半の方は、「いや、それでも私はちゃんと愛されていた」と思えたのではないでしょうか。(←虐待などの理由でそう思えなかった方には、9項で触れます)
何故、当時の両親があなたにそう接していたのか、理由を推測してみましょう。
「親には親の事情と性格があって、仕方なかった」
「父は、口下手であんな言い方しかできない人だけど、私を大切に思ってくれていたことは間違いない」
「母は忙しかった。それでもちゃんと私を育ててくれていたし、今でも心配してくれている」
「親は私の人生に口出しして、私の進路を決めつけたが、そうすれば私が幸せになれると思っていたからだ」
「そもそも、両親も子育てが初めてで子供に上手に接することができなかった」
程度がどうであれ、大概のケースにおいてはそこには親と子のすれ違いがあっただけで、親は子を大事に思っていた、という点では間違いはないのです。子供はもっと自分にとってわかりやすい形で、そして自分が望む形で親に応えてもらいたかっただけであり、親は子供は当然大事で愛しているけれど、子供に伝わるような表現をすることができなかったり、「こうしておけば子供は幸せだ」と思い、押しつけていた。愛情というエネルギーの循環不全が起こっていたのです。
完璧な親など、どこにもいません。それは、私たち全ての人間が、完璧ではないのと同じように。仮に、自分が親になったときを想像してみてください。自分は自分の子供に、完璧な親でいられると自信を持って言えるでしょうか。
私たちの子供時代、確かに愛情はそこにあり、あなたはちゃんと愛されていたのです。ただ、それがわかりにくかっただけ。または、不幸にも親にとっては「これが愛だ」と思っていたものが、子が望む形ではなかっただけです。
もし、今のあなたに、
「自分はいつも一人のような気がする」
「誰にも愛されていない気がする」
「自分の本音を言ったら嫌われるかもしれない」
「恋人(友人)から本当に好かれているのか自信がない」
「自分の存在に何故か、根拠のない罪悪感がある」
「私なんていてもいなくてもいいんだ」
そんな思いが心のどこかにあれば、その根拠となった子供の頃の自分を思い出して下さい。親に愛してもらえなかった、優しくしてもらえなかった、という当時の自分の思いが原因だとするなら、本当に親はあなたを愛してくれなかったのかを検証してみましょう。
今一度考えてみると、それが例え十分だったと思えなかったとしても、そこにはちゃんと愛があったことを、今では理解できるはずです。子供の自分は理解できなかった、むしろ逆だと思い込んでしまったかもしれないけれど、それでも、そこにあったのは愛だったのです。ですから、愛情への自信を持ってください。私は愛されていた子供、大事にされていた子供なのだと。
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