3.女性性(女性エネルギー)とは

退行催眠前世療法名古屋

女性性(女性エネルギー)は受け入れる力、受容性です。そして育む力です。子供は母親に自分を受け入れてもらって愛を感じ、安全な環境の中で育まれていきます。

受け入れてもらうとはどういう意味か。子供は母親に、自分の主張や言い分をわかってもらう、同意してもらう、要求を飲んでもらうことを求めます。自分の感情的な、例え支離滅裂な主張であったとしても、それを叱りつけず、なだめてくれる。なだめてもらうということは、子供の感情をはねのけない、拒否・拒絶をしないということです。子供は、母親に「いいよ」「わかったよ」「そうだね」と言ってもらい、何か間違ったことをしても許してもらえる。変わらずに愛してもらえる。拒否されないという安心感を得る。それが受け入れてもらうということです。

子供の発言を例にとるとわかりやすいですね。
「〇〇したい」(お母さんに自分の要求を飲んでほしい)
「お兄ちゃんが私を叩いた!」(お母さんに、お兄ちゃんが悪いとわかってもらい、更に自分を慰めてほしい)
「ねぇねぇ、お母さん!」(自分に注意を向けてほしい)
父親との関係が、父親からの能動的なもの(父親→子)であるのと反対に、母親との関係は(子→母親)であり、母親の受動性、つまり母親が受け止めてくれたかどうか、女性性が発揮されたどうか、に焦点があたります。要は子供の甘えを受け止めてくれたか。これが母親の受容性が発揮された、ということになります。

しかしこの過程で母親との関係が健全に進まないと、子供は「甘え下手」になります。「受け入れてもらえない」=拒否・拒絶される、と刷り込まれていくからです。自分の思うがままに行動したことが母親に受け入れてもらえないと、自分が自分のままでいることは相手に拒否されるのだと思うようになり、言いたいこと、やりたいことを我慢したり、抑えるようになります。

子供の自発性が妨げられる要因は、男性性不全の場合は、自由な発言を許可してもらえない(叱られる、罰せられる)であり、女性性不全の場合は、自由な発言をわかって(受け止めて・同意して)もらえない、という違いです。そして、子供が自己肯定感を育てていくのに、男性性からの「認めてもらう」は外界から下される評価であり、女性性からの「あなたはありのままでいい」は内側から、存在そのものへの支援です。これが女性性の「育む」というエネルギーです。子供は、母親の受容のエネルギーという絶対的な安全・後ろ盾の元、「自分を表現しても大丈夫なんだ」という安心を得て、自分の個性を広げていくことができるのです。

子供が母親から女性性を健全な形で与えられなかった場合、子供は自分の女性性を間違った形で発揮しがちです。ありのままの自分が相手に受け入れてもらえず拒絶されるという体験を繰り返すと、子供はどうやったら相手に受け入れてもらえるかを考えます。つまり、母親の要求を自分が受け入れれば、愛してもらえる、自分も受け入れてもらえると勘違いするのです。
「わがままを言わなければお母さんは機嫌がいい」(子供のわがままを受容しない母親を受け入れる)
「お母さんの言うことを聞いていればいい子ねと言ってもらえる」(母親の要求を受け入れれば愛してもらえる)
子供にとっては、何をしても受け入れてもらえる・許していいよと言ってもらえる「無条件の愛」ではなく、何かをしなければ得られない、「条件付きの愛」となるわけです。

そしてこの経験もまた、社会に出る頃になるとそのまま自分と社会、自分と他者&異性への解釈にスライドします。
「相手に「いいよ」と言ってもらえる自信がない」
「嫌われるかもと恐れて、言いたいことが言えない」
「相手に合わせていれば嫌われない」
ありのままの自分を受け入れてもらえる、それでいいよと言ってもらえる自信がないのです。自分の言動が相手に拒否されて(自分が)傷つくのが怖いから、言いたいこと、やりたいことを躊躇するようになります。

そして、自分が受け入れてもらえなかった過去の傷を相手に投影します。つまり、相手が自分と同じように拒絶される体験をすることが可哀想なので、自分を抑え、相手を優先して相手を受け入れることばかり繰り返します。どんな人間関係においても、自分より先に相手を受け入れる(=相手に合わせる)ので、「自分の都合を優先する=自分で自分を受け入れる、自分に「いいよ」と言う」ことができなくなります。
「今忙しいんだけど、相手も大変そうだから 私の仕事は置いといて相手の手伝いをしてあげよう」
「それはやりたくないんだけど、断ったら相手が可哀想だからつきあってあげよう」
「私の都合を優先していたら、相手に悪い」(遠慮)
これらは皆、女性性の不全、または過剰な状態です。しかし、これは本来自分が受け入れて欲しかった経験から別のベクトルを派生させているだけなので、深いところにある本音は逆で、自分を受け入れてほしい、自分の本当の本音に対して「いいよ」と言ってほしいのです。自分を受け入れてもらいたいという欲求を、相手を満たしてあげたという別の達成感で満たそうとしているだけです。ですから、真逆の矛盾が生じ、自分ばかり我慢して、すり減り、いずれ疲れきって枯渇するか爆発します。

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