人はなぜ自殺をするのか

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痛ましい芸能人の自死のニュースに、日本中がショックを受けています。

人はなぜ、自ら死を選んでしまうのでしょうか。

厚生労働省の資料によると、過去40年以上、他の理由を大きく引き離し、圧倒的に一位を占める理由は、心身における健康問題です。その後、半分以下の数値で経済・生活問題、家庭問題、勤務問題と続きます。

自殺する理由は本当に人それぞれです。同じ健康問題一つとっても、人によって何に悩み、何に行き詰まり、なぜ、死を選んだのか。この世に生きる人間の数だけ理由があるのです。

しかし、「理由」にどれだけ異なったストーリーがあろうと、自殺するに至る過程には共通する「構造」があるそうです。

先日私は、鬱に対する臨床催眠治療で世界的な第一人者であるアメリカのマイケル・ヤプコ博士の講座を受講しました。(過去ブログはこちら 2年前にも来日されてて、今年も来日の予定でしたがコロナなんでZOOMに)

そこで、自殺についての博士が語った内容。

「自殺する人は皆、死にたいと思って自殺するのではない。人生は今のこの状態から変わらない、未来はこれ以上に辛いものになる、この痛みや苦しみがずっと続くという絶望から抜け出すことができないと思っているから、死のうとする」

これを聞いて、私は自分が鬱を発症して死にたいと思った時のことを思い出しました。

もう古い古い、20年以上前、自分が22才の頃の話です。当時の自分は父が死んだことよりも、そのあとの自分自身のことで鬱になりました。ちょうど、いじめで自殺する子供がニュースになりだした頃で、私はそのニュースを見ては、その自殺した子がどれだけ辛い目にあっていたかを想像し得たけれども、同時にこう思っていました。

「自殺した子は自殺することで自分をいじめた相手を告発し、仕返しをしているんだ」と。

だから、そんな方法じゃダメだ、自分が死んでしまっては意味がないじゃないか、と思っていたんですね。

でも、自分が死にたいと思うようになったときはじめてわかった。自殺した子たちは当てつけの為に死にたかったわけじゃない(勿論、一部にはその理由も含まれるかもしれないけど)。この苦しみから逃れる唯一の方法は死ぬしかないと思ったんだ、と。今のこの苦しみがこのまま一生続くなんて、もうこれ以上耐えられない。この絶望からラクになるにはもう死ぬしかない、だから死にたい。そう思ったからなんだ、と。

うーむ、そういえば確かにあの時、私もそう思ってたんだったなぁーーー と。もうすっかり忘れとったわい(^^;

こういう仕事をしていると、鬱を経験された方や、過去死ぬことばかり考えていたことがある、という方とお話することも多いです。地下鉄の線路や高層から見下ろした下界が「お花畑に見える~(°▽°*)」という名言が飛び出したことも(^^; (つまり、そこに飛び込めば楽園だということだ)

博士の言葉で気づきました。死ねばラクになれる、この思いに至る前に、前提となっている思考「この苦しみはもう固定されて、変わらない、一生続く」「思い込んでいる」ということ。一生続いて逃げられないという絶望の中で、逃れる方法は「ただ一つだけ」死ぬしかない、と思い込んでいたんです。

でも、それは思い込みであって、真実ではないのだ。

前回のブログ「どんな危機も、どんな絶望も」でも書きましたが、人生は3年で変わります。今のこの状態は一生続くわけではない。人生は必ず変化していきます。でも、今現在絶望の最中にいる人、崖っぷちでずっと苦しんでいる人、あれもこれも八方ふさがりだと思っている人。そんな人たちは目先の今の自分の思考が生み出すネガティブな妄想にどっぷりと浸かってしまって、それがこの世のすべてであり、この先の未来も一生続くのだ、変わらないんだと囚われてしまっています。

だから、まず一つだけ気づいてほしい。人生は、未来は変わり得るということ。そして、今の状況を変える方法は、例えそう信じられなかったとしても、沢山あるということ。それはすっごいミラクルが起こるとか、ドラマみたいな一発逆転倍返しみたいなことが起こるとか、そんな派手な話ではなくても、ほんの些細なことだけで流れが変わるのです。
八方ふさがりだ、どこにも逃れる場所がない、そう思っていても、そこにほんの小さな針の穴が開くだけで、水は流れていく。開いた穴はそこを流れ出ていく水の勢いに押され自然と広がっていくのです。

じゃぁその小さな針の穴は何かって?これも本当に人それぞれだけど、誰かのほんの小さな一言だったり、自分の中のほんの少しの気づきだったりする。そのためにあなたには友人がいて、家族がいて、そして私達セラピストはこの仕事をしているわけです。あなたの人生に何かの風穴を開けるために。(おっと、リコネクション受けた人なら、日々の生活の中に必ずこの穴がドカンドカンと開くはずだ ^皿^)

そして、八方ふさがりだと思っている方は、是非、今までとは違う行動をしてみてください。違う考え方をしてみてください。これについてはここでは書ききれないから、セッションや今後のブログでお楽しみに。

次回は自殺について、自殺してしまった人の周りの人について触れようと思います。

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